難解女子のひとりごと。

世間の荒波をなるべく回避しながら生きる難解女子(造語)が書いてます。

生まれ持ったブスという足枷について。

産まれた瞬間からブサイクだった。

大人になった今だからこそ、これまでの半生を客観視できる。
時折実家へ帰省しては、幼少期の写真や中高性時代の卒業アルバム、友達とのプリクラを浅り己のブスさ加減に絶望するという生産性のないルーティーンを繰り返しています。

どの場面でも食べ物をくちに含んでいるかの如く下膨れた輪郭。
目頭から目尻にかけての、車なら事故りそうなほど急な勾配。
毎日泣きはらしているんじゃないかと思われそうな分厚い一重まぶた。
コンセントプラグを刺したくなるくらい上を向いた鼻。

あれ、もしかして、わたしの顔面偏差値、平均以下なんじゃないか…?
そんなしょっぱい現実に気がついたのは、プリクラを頻繁に撮るようになった中学二年生の頃でした。

この頃から、授業中は頬肉をつまみ上げてマッサージしたりニキビを潰したりする時間。休日は部活の帰り道沿いにあるドラッグストアでメイク用品を買い、自宅でこっそりとメイクを練習する日々。

そんな中、私は高校へ入学すると同時に新たな階段を登ることになります。

それは コ ス プ レ との出会いでした。
元々中学生の頃にオタクと化した私は、電車男ブームの最中だったこともあり学年全体に知られるくらいには大っぴらにオタクをしており、!!!高校生になったらバイト代でコスプレデビューする!!!のが当時の夢!

第一志望の進学校にも無事に受かり高校生になるとすぐさまバイトを開始。
某Mアクドナルド(某の意味…)で、ブスながら必死に笑顔を振りまき、ポテトを揚げまくって得たお金を使って無事にコスプレイヤーデビュー!!!!

ベースはクソブスでも、メイクのテクニックとウィッグの造形と衣装の作り込みと写真加工技術には何処から湧き出たか分からない謎の自信があったので、コスプレイベントの会場をドヤ顔で闊歩。
「わー!○○(キャラ名)だ!」「すごい!」「写真撮りたい…!」
すれ違った人達の反応はたとえどんなに小声でも恐ろしい程の地獄耳で逃さずキャッチし悦に浸ってました。(※幻聴ではない)
イベントへ行くと頻繁に撮影を依頼され、ありがたいことにファンも付きました。イベント会場で差し入れを頂くこともしばしば…

ここまで読むと、「あれ?クソブスじゃなかったっけ?」と思うことでしょう。
そうです、クソブスなのです。
その事実は揺るぎません。

コスプレ中の化粧はもはや特殊メイクレベルでした。
常にカラコン、つけまつげ3枚重ね、瞬きできないくらい頑丈&広めの幅で瞼をアイプチによって貼り付け、下膨れの頬肉を医療用のテーピングで上に吊り上げetc…
巧妙な手口でブスを隠蔽してました。

さらにコスプレ会場でちょっとした有名人気分が味わえたのはブス隠蔽技術に加え「時代」と「地方」というロジックが作用しています。(笑)
この話はかれこれ今から5年以上前のことであり、さらに舞台はド田舎なのです。
都会のイベントなら見向きもされないような顔面偏差値でも、レイヤーの絶対数自体が少ないド田舎のイベントなら衣装とウィッグを装備しただけで輝けたのです。(当時は既製衣装を着ただけの地毛レイヤーがそれはそれは多かった…)

すっぴんはブスだけど上手く隠せるし、隠した姿をかっこいい・かわいいと言ってくれる人たちが沢山いるからまあいっか!
わたしはコスプレに生きてました。コスプレ写真に映る自分の顔さえ何とかなっていれば日常の顔なんてどうでもよかった。

こんな環境下で勘違いだらけの自信を育みながら、貴重なJK3年間を消費。
高校卒業・進学と同時に上京するのですが、これを期に自分の美意識がガラリと変わることになるのです。(続く)